ZOOM UP INTERVIEW
終戦直後の日本にまたしてもゴジラ襲来…!
前作以上のスケールで描かれる続編を語る
神木隆之介&浜辺美波
Photo:平野司
『ゴジラ-1.0』から早くも3年――11月3日(火・祝)公開の最新作『ゴジラ-0.0』(ゴジラマイナスゼロ)で、再び巨大怪獣によるさらなる恐怖が描かれる。前作から引き続き出演する神木隆之介と浜辺美波に、現場の思い出や見どころについて話を伺った。
「前作から今回までの間に、私たち家族の関係がどう変化しているか」
(監督・脚本、そしてVFXを務める山崎貴監督による前作『ゴジラ-1.0』は、終戦直後の日本を舞台にするというこれまでにないアイデアで、新たなゴジラワールドを生み出した。今回、その直接の続編となる『ゴジラ-0.0』の制作は、メインキャストの2人でさえまったく予想していなかったという。)
浜辺 『ゴジラ-1.0』のラストシーンを撮影したとき、なぜか「続編があったとしても自分は出ないだろうな……」と思い込んでいました。それだけに今回も敷島さん(神木)と子役の明子(永谷咲笑)と一緒に家族を演じられることがうれしかったです。
神木 やっぱり前作をたくさんの方に観ていただけたからこその続編ですよね。今回は前作の段階で出来上がっていた関係性からスタートできたので、すごく監督に相談しやすい撮影現場でした。
浜辺 前作から今回までの間に、私たちが演じる家族の関係がどう変化しているか、という部分も観ていただきたいです。終戦を乗り越え、ゴジラとの戦いを乗り越えた家族というイメージを持って、それが伝わるような表現ができたらいいなと思いました。今回も時代感のあるセットの作り込みが素晴らしくて、服を着てメイクをすればすぐに作品の世界に戻っていける感覚でした。

(本作『ゴジラ-0.0』の舞台は前作から2年後の1949年。終戦直後の混乱を乗り越え、復興に向かって少しずつ動き出した時代だ。お互いに戦災で両親を亡くし、闇市で出会った敷島と典子、空襲のさなかで典子に託された少女・明子の3人は平和な暮らしをようやく取り戻していたのだが……本作では深まっていく家族の絆、そしてそれ故の葛藤や苦悩が前作よりも丹念に、時間をかけて描かれている。)
神木 典子と明子と3人でいるシーンは前回以上に細かくディレクションをしていただきました。今まで僕もお父さん役というのをあまり演じたことがなかったので、劇中では家族を守るために心が揺れて葛藤する場面で、どこまで深刻さや動揺を見せればいいのだろうかという悩みもあって、1作目とは違う覚悟やプレッシャーを持って挑ませていただきました。
浜辺 今回は前作よりもさらに真剣だったり、息が詰まったりするようなシーンが多いなかで、監督が「すごく疲れるのは、想いがあるからだよ」と気遣ってくださったことも印象に残っています。VFXの映像作りと同じくらい、私たち人間側のドラマにも強い気持ちで挑んでいらっしゃるんだということに感激しました。

(本作の制作と出演が決まり、山崎監督による脚本を最初に目にしたときの印象は、どんなものだったのだろうか。)
浜辺 典子が前作の後も平和に暮らせていたということがわかったので、まずは「あぁ、よかった……」という気持ちでした。典子が受けた痣の設定は、もともと台本にはなかったものを山崎監督が現場で追加したものでした。なので撮影を終えた段階では、これはきっと、あまり長くは生きられないんだろうなと思って、それで「次はない」とすっかり思い込んでいたんです。あと、山崎監督の脚本といえば、ト書き(セリフ以外の説明の部分)の多さですよね。
神木 僕はすぐに「あ、またVFXが増えてる!」と思いました。何ページめくってもVFXに関係する描写が続いて、たまに僕の名前があったかと思うと、“敷島「……」”みたいに言葉が出てこないシーンで(笑)。それは自分の解釈が合っているかどうか、現場で監督と確認しながら演じていました。
浜辺 前作からどういう物語がつながれていくのか。そしてそれがどんな映像になるのか、本当にワクワクしながら読ませていただきました。
神木 『ゴジラ-1.0』のときは、まず敷島と典子、明子のキャラクターが何を背負って立ち向かっていくのかをしっかり説明していく必要がありましたよね。でも今回は僕たちの役柄や世界観については前提がすでにあるので、物語の進み方がスムーズになっていると思います。人々が怪獣に立ち向かっていく理由があって、それが心の中にスッと入ってくる。愛や責任というテーマが人間ドラマの軸にあって、それが怪獣たち側のストーリーとちゃんと共存できているんです。

「目を合わせながらお互いの感情を伝え合う」
(今回、家庭のある人物を演じるにあたって、気を付けたことは?)
神木 僕は“笑顔”ですね。前作で一切笑うことがなかった敷島が自然に笑えるようになるって、かなりの心境の変化だと思うんですよ。家族と居るときに笑うなんて当たり前だと思われるかもしれませんが、もともと彼はそういう性格じゃなかったので。家族として同じ家で暮らしていくなかで、徐々に変わり始めているんだということが表現できたらいいなと思っていました。笑顔が多めで、より人間らしく。あまり笑ってばかりにならないように映像をチェックして調整をしたり、そこは気を遣ったところですね。
浜辺 今回は続編ということで、前作から積み重ねてきたものをさらに深めていくという作品作りはほとんど初めてでした。脚本を読んでみて、私たち3人家族の三角形の線がすごく太くなっていると感じて、カメラが回ってないときでも3人の時間を楽しもうと心がけたりもして。私は結構人見知りなので、監督から「家族に見えるようにがんばって!」と励まされながら3人の時間を過ごしていました。朝ドラ(『らんまん』)でご一緒したときもそうだったのですが、神木さんはとにかく子どもに好かれるタイプで、悪ふざけをしていたら私がやさしく叱るという役割分担に今回も自然になっていました。明子ちゃんは本当に名演技でした。
神木 本当ですよ。覚醒してました。われわれ子役上がりの人間としては(笑)。周りの先輩方に「大きくなったね〜、俺も歳を取ったなぁ」と言われることが多かったと思うんですが、僕も成長した明子の姿を見て、同じことを思いましたから。
浜辺 前回の明子のセリフは「やだ」とか簡単な単語だけでしたが、今回は3人で話す場面がいくつもありました。
神木 監督も明子を信頼しているのがすごく伝わってきて、またその信頼にちゃんと応えている明子を間近で見て、時の流れをすごく感じました。
浜辺 やっぱり明子がいてくれたからこそ、でしたよね。あの子がどんなお芝居をしてくれるのか、それを受けてこちらがどうやって返していくか。台本を読むだけでお芝居を決めてしまわずに、敷島さんとも目を合わせながらお互いの感情を伝え合うという。実際に演じてみて、こんなにも気持ちが盛り上がるシーンだったのかと驚くこともありました。特に今回は現場で作り上げられる要素が大きかったです。

(今作で初めてゴジラシリーズに出演する田中泯、約20年ぶりのシリーズ出演となる長澤まさみとの共演も大きな話題となっている。現場で印象的だったことは?)
神木 田中泯さんは本当にパワフルな方でした。威厳があって、それでいて無邪気なところもあって、一緒に笑い合って必要以上に絡ませていただきました。泯さんのパワーと存在で重要な場面を何度も救っていただいた気がします。
浜辺 泯さんはお芝居がダイナミックで、まるで怪獣のような存在感でした。本当はとてもキュートな方なのですが、一旦映画の世界に入ると完全に別次元の人物になるところがやっぱりすごいんです。
神木 現場でも話したけど、長澤さんと浜辺さんは雰囲気が似てるな~と。やっぱり事務所(東宝芸能)の先輩と後輩だからかな?
浜辺 そう言ってもらえるのは本当に光栄でした。私が事務所に入ったときから、周りにポスターが貼ってあって、直属の先輩として、事務所の象徴として、ある意味でゴジラに近い憧れの存在だったので、ゴジラ映画でご一緒できるということがまた、前作とは違う緊張感がありました。

「監督の頭のなかでは僕らもCGに置き換えられちゃっていたのかも(笑)」
神木 現場での監督は本当にキラキラしていて、まるで少年のようでした。テストから本番に入る前に説明をしてくださるんですが、VFXの細かい話になるとなかなか終わらなくて(笑)。監督だけじゃなくて、周りのスタッフのみなさんとも楽しく盛り上がって作っていたなぁ、という印象です。
浜辺 前作の現場でもそうでしたが、監督はテンションが上がってくると擬音が増えるんです。ゴジラのシーンだと「ドカーン!」だけだったのが、キングギドラは頭が3つあるので監督の擬音も3倍くらいに増えて(笑)。「ギュインギュイーン!」って何の音だろう?完成したら一体どうなるの?と、早く監督の頭のなかを覗いてみたくて仕方なかったです。
神木 監督のことだから、僕らのことも監督の頭のなかではCGのモデルに置き換えられちゃっていたのかも(笑)。

(3年前の取材では、「主演はゴジラさん」「僕らはゴジラという主演俳優に思いっきり振り回される役」という話があった。今回のゴジラさんの主演ぶりはどうだったのだろうか?)
神木 今回は、ゴジラとキングギドラでダブル主演。もちろんビッグな方々なので現場にはいらっしゃらないですが、精神的な部分ですごく引っ張ってもらっていた気がします。彼らに「人類は絶対敵わない」と思わせるくらいの存在感があるからこそ、僕たち人類側が命をかけて立ち向かっていくことの重大さも生きてくる。完成した作品を見て、見事にその役目をまっとうしてくれたなぁ、というのは思いましたね。
浜辺 登場の瞬間から胸が高まる感じは前作と同様に素晴らしいのですが、今回は新しいキャストであるキングギドラさんがいるおかげで、さらに盛り上がりましたよね。ゴジラさんの重厚感とはまた違う躍動感があって、山崎監督と白組のスタッフさんたちの熱量の高さを改めて感じました。前作が好きな方にとっては必ず楽しんでいただけるものになっているんじゃないかと思います。こうしてインタビューを受けているときも、後ろにゴジラとキングギドラがついてくれているような心強さがあります。

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PROFILE
神木隆之介(RYUNOSUKE KAMIKI)
1993年5月19日生まれ。代表作に『妖怪大戦争』、(2005年)『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、『バクマン。』(2015年)、『君の名は。』(2016年)など、子役時代から出演作多数。近年の出演作はドラマ『海に眠るダイヤモンド』(2024年)、『君のクイズ』(2026年)など。
浜辺美波(MINAMI HAMABE)
2000年8月29日生まれ。代表作に『君の膵臓をたべたい』(2017年)など。神木隆之介とは連続テレビ小説『らんまん』(2023年)、ドラマ『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(2025年)などでも共演。近年の出演作は『ほどなく、お別れです』、大河ドラマ『豊臣兄弟!』(ともに2026年)など。
映画『ゴジラ-0.0』
11月3日(火・祝)全国ロードショー
戦争によって「無(ゼロ)」になった日本をゴジラが「負(マイナス)」に突き落とした。あれから2年。もがき苦しみながらも復興を遂げ、ようやく辿り着いたはずの日常に希望を完璧に打ち砕く、新たな絶望の到達点が襲いかかる。
監督・脚本・VFX:山崎貴
【出】神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、佐々木蔵之介、國村隼、 田中美央、安藤サクラ、長澤まさみ、田中泯、吉岡秀隆(ほか)
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Photo:平野司 / Text:真鍋新一/Styling:瀬川結美子(sharey)・Hair&Make:George (浜辺美波)/Styling:吉本 知嗣/Satoshi Yoshimoto・Hair&Make:大野 彰宏(ENISHI)/Akihiro Ono(ENISHI)(神木隆之介)