ZOOM UP INTERVIEW
若い監督とキャストが集まった
スタイリッシュなホラー映画
早瀬憩&坂巻有紗&平松想乃
Photo:平野司/左から平松想乃、早瀬憩、坂巻有紗
呪われたスマホを拾ってしまった高校生たちの恐怖を描く新作ホラー映画『呪いのスマホ』。主演の早瀬憩、そして個性的な同級生を演じた坂巻有紗と平松想乃が作品の感想を語り合う。

「私が馬鹿にされるシーンで、本気で怒ってくれたよね」(平松)
(『呪いのスマホ』は、立場や性格がまったく異なる同級生たちが、呪われたスマホから送られる「自分が死ぬ動画」に襲われていく物語。今も絶大な支持を集める日本のホラー映画に新しい魅力を持ち込んだ3人に、まず今回の作品を知ったときの気持ちを伺った)
坂巻 自分はもともとホラー映画が大好きだったので、お話を伺ったときは「待ってました!!!」という感じでした。
平松 私も最初に映画に出るならホラー映画だったらいいなと思っていたので、お話が決まった瞬間に「よし!!!」って声が出ちゃいましたね。
坂巻 初めてがこの作品だもんね。すごいよ!
平松 お芝居自体がほとんど初めてだったので、ひとつのセリフでも「ここってどういうふうに言ったらいいのかな?」と困ったり迷ったりすることは何度もありました。でも、周りの人たちに相談しやすくて、「こうしたらいいよ」とか「こうじゃないかな」って共演のみなさんや監督に助けていただきながら、最後まで演じることができました。
(主演の早瀬と山元環監督とは、昨年に異例のロングランヒットとなった『この夏の星を見る』に続いてのコンビとなった)
早瀬 そうですね。山元監督ならまた楽しくお仕事ができるだろうなと思えたことが大きかったです。ホラー映画の現場は清水崇監督の作品で経験があったので、そこで学んだことも活かせるだろうと思って演じていました。清水監督の現場ってすごく明るくて、楽しいんです。ホラー映画なのですごく暗かったり怖かったりするものを撮るのですが、だからこそ現場は明るく楽しく、風通しを良くしようということは今回も意識していました。
(早瀬は『あのコはだぁれ?』『だぁれかさんとアソぼ?』と、ホラー映画の名手・清水崇監督の作品に続けて出演。本作は、ホラー映画ファンが注目していた若手女優・早瀬憩初の単独主演映画となった)
早瀬 非現実的な世界をリアルに受け止めて怖がっていただくには、やっぱり日常のシーンが大事かなと思うんです。学校でただ普通にみんなと話をしているシーンにも現実感がしっかりあると、怖いシーンがより引き立って、映画の世界に入ってもらいやすくなる。それも清水監督の現場で学んだことです。
坂巻 素敵……! ホラー映画ってそういうものだよね。

(目立たない普通の生徒・ユラを演じた早瀬とは対照的に、坂巻と平松が演じた千明と琴葉は学園の問題児たち。彼女たちの個性ある演技も見どころだ)
坂巻 私が演じた千明は本当にわかりやすいギャルの役なので、自分の思うホラー映画の不良キャラを思い切り演じさせていただきました。ただ、この子も100%悪い子というわけじゃないんです。実は正直だったり、優しかったり、良いところもある。この子の不器用な部分もちゃんと感じてもらいたいなと思っていました。

平松 私が馬鹿にされるシーンで、本気で怒ってくれたもんね。ありがとう、泣いてくれて……。私が演じた琴葉の役はSNSでインフルエンサーをしている生徒で、ある意味リアルな自分に近い部分もあったのはよかったですね。美意識が高くて承認欲求が強いという性格もわかりやすかったです。監督と話しながら大事にしていこうとしたのは、千明との掛け合いのテンポ感ですね。有ちゃん(坂巻)と初日から仲良くなれたので、それもうまくできました。

「いちばん疲れているはずの監督が、誰よりも明るい」(坂巻)
(撮影は、実際に廃校になった学校の校舎を使用したそうだ。それぞれの理由で問題を起こした生徒たちが、罰として立入禁止の旧校舎の清掃を命じられたことで事件に巻き込まれる)
早瀬 撮影場所がもう……怖かったよね。
坂巻 映画の撮影じゃなくても「こりゃ(霊が)いるなぁ……」と思えたよね。目に見えなくても、そこにいるんだって。
平松 うん、雰囲気ができていたから入り込みやすかった。
早瀬 夜、ちょっと周りが暗くなっただけでも怖かったから。
(これまでも多数の名監督を輩出してきた大阪芸術大学出身で、30代にして早くも大役を任された山元環監督の演出は、どんなものだったのだろうか?)
早瀬 年齢が少し私たちに近いというのもあるし、関西のノリも面白くて(笑)。「演出していただく」というよりも、同じ目線に立って、どうしたら面白くなるのか、次はどうしてみようかって一緒にワクワクしながら作品を作っていける監督だなと思っています。
坂巻 監督ですから、現場でいちばん休めていないはずなんですよ。いちばん疲れているはずなのに、誰よりも明るかったです。映画の現場って、監督の気持ちひとつで雰囲気がガラッと変わるので、そういう意味ではお芝居がしやすかったのは環さん(山元監督)の明るさのおかげです。最高!
平松 私はお芝居の経験がないので、「監督をたくさん困らせてしまっただろうな……」と今も思っているんです。でも、監督はどんなときでも私がお芝居の雰囲気を想像しやすい形で説明をしてくださって、それがとてもありがたかったです。
坂巻 「こうしてほしい」と要求するだけではなく、必ず想乃に答えを出させるような伝え方をしていたよね。「もしこうなったらどうする?」「じゃあ、それをやってみよう」って。
平松 丁寧で的確なアドバイスをポンポンと出してくださるので、私がそれに反応しているうちにお芝居のかたちができていったというか……。

(ホラー映画でありながら、登場人物の人間関係や背景を深く掘り下げた演出が、見応えのある人間ドラマを作り出している)
早瀬 私が演じたユラは過去にトラウマがあって、人の目を見て話せない女の子です。他者と深く関わろうとしないですし、自分の内面を深く知られることもすごく恐れている。でも、みんなが演じる個性豊かな生徒たちと出会って、対話を重ねていくうちに少しずつ変わっていく。お芝居って、相手の顔を見ないと自分の気持ちが作れなかったりもするので、人の目を見て話ができることがどれだけ大事なことなのかがよくわかりました。ほら、最初のほうの廊下のシーンで……。
坂巻 うちらが廊下で性格の悪すぎる会話をしてるところだよね(笑)。
早瀬 うん。ただ下を見て聞いているだけしかできなかったから2人がどんな顔して話しているのか分からなくて……。でも2人の話し方が、表情が伝わってくるくらい意地悪な感じで(笑)。
坂巻 えぇもう、本当にうちらイジワルっ子でしたから!
早瀬 想乃も「映画は初めてだから」って現場でずっと心配してたけど、私から見たらそんなことまったく気にならなかった。スクリーンでもすごく映えてたし。
平松 嬉しい! ありがとう……!
早瀬 2人のおかげで、目を見なくてもお芝居ができました。
坂巻 いじめっ子らしさ、ちゃんと伝わった?
早瀬 伝わったよ~(泣)! すごくしんどかった(笑)。

「感情を揺さぶられて、すごく考えさせられる作品になっています」(早瀬)
(才能ある監督のもと、まるで合宿のように楽しく創造的な環境で作られた『呪いのスマホ』。最後に3人から本作の見どころと感想を伺った。自らもホラー映画の大ファンであるという坂巻のコメントにも注目)
平松 今までのホラー映画とは本当に違う!という映画になっていると思います。映像がキレイでおしゃれなのもそうですし、全員のキャラクターが面白すぎて、本当にみんなの個性が際立っているんです。怖いシーンはもちろん怖いですし、そうでないシーンもみんなで青春している感じがすごく面白かった。細かいところまで見て楽しんでほしいです。
坂巻 ホラー映画ってどうしても、中身が似たり寄ったりになりがちなジャンルですよね。この映画もパッと見ての設定は「ホラーで、学校で、スマホで」って、「ちょっとありがちだな~」と思われてる気がするんですよ。でもこの映画は、驚かせ方もお話の展開も、見慣れた演出が一切ない。すごく盛りだくさんなんですよ! だから、本当に楽しい、心の休まらない時間が過ごせると思います。
早瀬 本当にひとつのシーンにいくつ怖い要素が詰まっているんだろうと思うくらい濃密です。ジェットコースターみたいに感情を揺さぶられるところもありますし、ホラーが苦手な私でもすごく楽しんで観られました。ホラーはホラーでも、私たちが怖い思いをして終わりというのではなくて、ストーリーがしっかりしているので、すごく考えさせられる作品になっていると思います。それから、想乃が言ったように映像がすごくスタイリッシュ。残酷な場面でもどこかに美しい要素が入っていて、今までになかった面白い作品になっていると思います。


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PROFILE
早瀬憩(Ikoi Hayase)
2007年生まれ。2021年にデビューし、新垣結衣とともにW主演を務めた『違国日記』(2024年)と、ホラー映画『あのコはだぁれ?』(2024年)で複数の新人賞に輝いた。その他の出演作に、『この夏の星を見る』(2025年)、『私はあなたを知らない、』(2026年)など。
坂巻有紗(Alisa Sakamaki)
2000年生まれ。『仮面ライダーガッチャード』(2023~24年)の悪役・ラケシス役に抜擢されブレイク。CM、ドラマ、舞台など幅広く活躍中。その他の出演作に『ロングホットサマーバケーション』、『死神バーバー』(ともに2026年)など。
平松想乃(Sono Hiramatsu)
2006年生まれ。恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』をきっかけにブレイクし、モデルとしての活動と並行してCM、ミュージックビデオなどに出演。本作が映画初出演となる。その他の出演作品にドラマ『TOKYO 巫女忍者』(2026年)など。
映画『呪いのスマホ』
11月13日(金)全国公開
事故で親友を亡くし“視える”ようになった孤独な女子高生・榊ユラは、同級生たちと立入禁止の旧校舎でボロボロの一台のスマホを拾う。突如起動した画面から流れる〈不気味な動画〉を見てしまったユラたちは、デジタル呪物【呪いのスマホ】と繋がってしまい、【自分が死ぬAI動画】が届き始める──それを受け取った者から順番に無残な“同じ最期”を辿っていく。
監督:山元環
【出】早瀬憩、窪塚愛流、井手上漠、坂巻有紗、萩原護、砂田将宏(BALLISTIK BOYZ)、平松想乃(ほか)
映画『呪いのスマホ』の予告編をチェック!
Photo:平野司、Text:真鍋新一/【早瀬憩】Hair&Make:山口恵理子、Stylist:𠮷田達哉 /【坂巻有紗】Hair&Make:YUNA、Stylist:渡邊花(lilium)/【平松想乃】Hair&Make:住本彩、Stylist:後藤泰治