ZOOM UP INTERVIEW

新生TOKYO MER、始動
麻酔科医として新たな絆をつなぐ

ファーストサマーウイカ

Photo:平野司

今夏公開の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』。首都直下地震という未曾有の災害を舞台に、新生TOKYO MERが命を懸けた救助に挑む。新チームの麻酔科医・池尻久仁子を演じるのは、俳優、アーティスト、タレントとして幅広く活躍するファーストサマーウイカ。実はドラマシリーズの頃から「TOKYO MER」のファンだったという彼女は、新メンバーとして参加することに「複雑な気持ちがあった」と笑う。作品愛あふれる視点で語るシリーズの魅力、麻酔科医という役との向き合い方、そして現場で感じた“MERらしさ”とは――。

ファンだったからこそ抱いた「複雑な気持ち」

 「TOKYO MER」は、ただの医療ドラマではなく、私は“体育会系医療ドラマ”だと思っています。病院の中だけで完結せず、自ら救助に向かう。そのハラハラ感やストーリー性は他の作品にはない魅力ですよね。

 「ハリウッドかな?」と思うぐらいの爆発の回数であったり、メンバーが危機に陥ったり。シリーズが進むにつれてそのスケールやメンバーが超人的に活躍する瞬間がどんどん増えていって。壮大すぎてツッコミたくなる瞬間もあるんですけど(笑)、「次は何をしてくれるんだろう」という期待感も膨らんでくる。いつも夢中になって観ていたので、このシリーズに出演できると聞いた時は本当にうれしかったです。

 でも正直、新メンバーとして参加すると聞いた時は、複雑な気持ちでした。MERのファンなので(笑)。「元のTOKYOメンバーはどうなるの?」って考えましたし、今までの空気感が変わってしまうんじゃないかという不安もあって。でも、台本を最後まで読んだ時、その思いは全部吹き飛びました。新TOKYO MERが誕生した意味が物語の中でしっかり描かれていて、最後には「新TOKYOチームがいて良かった」と心から思える作品になっているんです。だから今、不安に思っている方も、その気持ちのまま劇場へ足を運んでいただけたらうれしいですね。

医師としては頼れる存在。でも、MERでは新人

 私が演じた池尻久仁子は麻酔科医です。TOKYO MERの先輩としては鈴木亮平さんが演じる喜多見チーフと菜々緒さんが演じる夏梅先生しかいなくて、新メンバーはそれぞれ医師や看護師としてキャリアを積み、実力を認められて招集されています。だから医療従事者としてはベテランだけれど、MERならではの出動や危機的状況には戸惑いもある。そのバランスを意識しながら演じました。

 実際の現場でも、MER独特の動きや所作など分からないことばかり。劇中では喜多見チーフと夏梅さんに教わりながらMERについて学んでいきますが、その役柄と現実がリンクしているので、知っているのに知らないふりをしたり、できるのに戸惑う芝居をしたりする必要がなくて。本当に少しずつTOKYO MERの一員になっていく感覚でそのまま演じることができました。

 池尻先生は、前へ前へと引っ張っていくタイプではありません。チーム全体を少し引いたところから見守り、それぞれをつないでいく“潤滑油”のような存在。私は「寮母さん」みたいなイメージで捉えていました(笑)。

 新TOKYO MERは、まだ発展途上のチームです。だからこそメンバー同士をつなぎ、フォローする存在が必要なんですよね。麻酔科医も、オペの最中は患者さんや全体の状態を俯瞰的に見守り続ける仕事。自分が慌ててしまってはいけないし、常に冷静でいる必要がある。だから池尻先生も、チームみんなの様子を見ながら、その時に一番必要な言葉を選び、言い過ぎたり踏み込み過ぎたりはしない。そんな“そっと支える距離感”を大切にしていましたね。

チームワークが作品の力になる

 撮影現場のチームワークは、本当に素晴らしかったです。これまで共演したことがない方も少なくなかったのですが、不思議なくらい最初から距離を感じなくて、一緒に過酷な試合を戦い抜いた仲間のような空気が自然と生まれていましたね。

 MERの撮影は、まさに体力勝負。手術シーンでは集中力を極限まで使いますし、救助シーンのロケでは極寒の屋外で震えながら撮影することも。役者だけでなくスタッフの皆さんも含めて、全員が精神と肉体をフルに使って作品と向き合っているので、「みんなで乗り越えよう」という一体感が育まれていくんです。

 そんな現場を支えていたのが、亮平さんをはじめとするレギュラーメンバーの皆さん。シリーズ作品だと、新しく入った人が少し距離を感じてしまうこともあるかと思いますが、MERにはそれが一切なくて。「おいで、おいで」と温かく迎え入れてくださるので、最初からチームの一員として撮影に参加することができました。

 中でも印象的だったのは、亮平さんの座長ぶり。カメラが回っていなくても「喜多見チーフ」と呼んでしまうほど、その存在感は役そのもの。医療シーンの動きの練習でまごついていると、「ウイカ、ちょっと」と声を掛けてくれて、MERならではの所作や見せ方を丁寧に教えてくださるんです。撮影の待機場所では、ダンボールを手術台に見立てて、人体の構造だけでなくMERならではの医療器具の使い方をレクチャーしてくれたことも。実際の医療現場や手術の流れを深く理解した上で、どうエンターテインメントとして魅力的に見せるかまで考え抜いている方なんです。

 それと、麻酔科医として使う医療用チューブの操作を練習していた時には、ご自身のリュックから私物のチューブを取り出して「これ使ってください」と貸してくださったこともありました(笑)。この他にも、撮影後にキャストを集めて“たこ焼きパーティー”を開いてくれたりもして、最後までチーム全体を気に掛けてくれていて。劇中で描かれるMERの強い結束力も、こうして培われた信頼関係があってこそなんだなと思いました。

細部まで積み重ねられたMERのリアリティ

 ファンだった私にとっては、実際にMERならではの演出を体験できたこともうれしかったです。出動シーンでイヤホンマイクに手を添えて「了解!」と応答したり、メンバーがフォーメーションを組むように並んで走り出したり。「これ、やりたかったやつだ!」と(笑)。視聴者として見ている時は気づかなかったのですが、立ち位置や顔の角度、肩の入れ方まで細かく計算されていて、MERならではのヒーローらしい佇まいは、そうした積み重ねの中から生まれているんだな、と。

 それと、作品のリアリティを支える細部へのこだわりにも驚きましたね。災害現場の撮影でトリアージの札を付ける動作一つにも医療監修の先生が立ち会い、丁寧に指導してくれるんです。単なる視聴者だった頃は、「何か処置をしている?」くらいにしか見えていませんでしたが、実は全員がその意味を理解した上で演じていたんです。

 この他にも大規模な救助シーンでは、エキストラの皆さん一人ひとりのケガの度合いや状況まで細かく決められていて。画面の隅にしか映らないような場面でも決して手を抜かず、それぞれが役として存在している。だからこそ作品全体に奥行きが生まれ、それがMERならではの圧倒的な臨場感につながっているのだと改めて感じました。

 今作では、首都直下地震によって東京全域が被害現場となり、シリーズ最大のスケールでMERが活躍します。壮大な救助シーンやチームワークはもちろん、画面の隅々にまで宿るリアリティにも注目しながら、ぜひ劇場の大きなスクリーンでその迫力と熱量を体感していただきたいですね。

TBSチャンネル1でドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』を全話一挙放送

鈴木亮平主演。重大事故、災害、事件の現場に駆けつけ、命を救うために危険な現場に勇猛果敢に飛び込んでいく、救命救急チーム“TOKYO MER”の活躍を描く。また、スペシャルドラマ『TOKYO MER~隅田川ミッション~』も続けて放送されるため、あわせてチェックしよう!

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PROFILE

ファーストサマーウイカ(UIKA FIRSTSUMMER)

1990年6月4日生まれ。アイドルグループ「BiS」のメンバーとして活動後、ソロで音楽、バラエティー、俳優と幅広く活躍。近年の主な出演作に大河ドラマ「光る君へ」、『花まんま』、「19番目のカルテ」などがあるほか、『シャドウワーク』、『ファーストボイス』が公開待機中。

劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』

8月21日(金)全国公開

MER設立から5年、新生TOKYO MERが始動。今作劇場版第3弾では新メンバーを迎える。東京を襲う地震により、首都機能は一瞬で崩壊、この危機にTOKYO MERが立ち向かう。

監督:松木彩/脚本:黒岩勉

【出】鈴木亮平、賀来賢人、赤楚衛二、桜田ひより、津田健次郎、ファーストサマーウイカ、岩瀬洋志、菜々緒、石田ゆり子(ほか)

TOKYO MER~走る緊急救命室~ 全話一挙放送

8月20日(木)前10.00~後8.10

TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画

放送年・キャスト

21年【出】鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、佐野勇斗、佐藤栞里、佐藤寛太、フォンチー、菜々緒、稲森いずみ、城田優、桂文珍(特別出演)、鶴見辰吾、橋本さとし、渡辺真起子、仲里依紗、石田ゆり子(ほか)

TOKYO MER~隅田川ミッション~

8月20日(木)後8.10~9.25

TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画

放送年・キャスト

23年【出】鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、佐野勇斗、フォンチー、菜々緒、伊藤淳史、鶴見辰吾、橋本さとし、仲里依紗、石田ゆり子(ほか)

『TOKYO MER~走る緊急救命室~CAPITAL CRISIS』の予告編をチェック!

Photo:平野司/Text:足立美由紀/Stylist:近藤伊代/Hair&Make:吉田真妃 プリントスカート・ハンドプリントテーラードパンツ:TAAKK/JOYEUX/ピアス・リング:GERO CHRIST/H.P.FRANCE ※他スタイリスト私物

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