ZOOM UP INTERVIEW
中島健人主演『ラブ≠コメディ』でライバル俳優役を好演
塩野瑛久
Photo:平野司
ラブコメディばかり続くことにうんざり気味な俳優・神崎麗司を中島健人が演じる『ラブ≠コメディ』。本作で重厚な社会派ドラマで活躍する麗司のライバル、渕上颯真を演じた塩野瑛久が本作への思いを語ってくれた。
演じた役どころに共感
出演のお話をいただいてまず、中島健人くんが演じるのであれば、きっと面白い作品になると思いました。ラブコメ要素もありつつ、俳優たちのお仕事ドラマにもなっています。颯真に重なる部分もあって、僕も主演を務めた経験があるからこそ、その重圧を背負いながら仕事をする難しさに共感しました。ただ、麗司が颯真のように俳優として賞が欲しいと思っているように、僕もまだまだそちら側ではあって麗司の気持ちも理解できます。同世代の俳優が活躍しているのを見るのが辛いと思う時期も正直言ってありました。非常に良い作品を見ると、どうして自分はこの中にいないのだろうと思ってしまったり。でも、ここ数年は自分ならこの役にどんなアプローチができるだろうと考えて見ることができるようになって、とても良い影響を受けています。例えば最近気になった方は、みなさんも注目されていると思いますが、「九条の大罪」の黒崎煌代さんです。「人間標本」を見た時から惹かれるものがあって、声も低音で魅力的で存在感があると感じました。
中島健人に感じたリスペクト
健人くんはかねてからリスペクトしていて、健人くんが出されたグッズもチェックしているのですが、すごくセンスを感じて尊敬しています。作品中に僕が壁ドンをされるシーンがあるのですが、撮影の時は距離が近く、とってもいい匂いがして(笑)。萌えシーンではないのですが、健人くんの“気遣い”にキュンとしました。サービス精神も高く、頼りになる座長です。健人くんと共演する前と後で、良い意味でイメージは変わらないです。自分の中の芯がぶれないところと言いますか、自分に求められていることに応えつつ、ただ求められているからというだけでなく、ちゃんとそこに自分の信念があって、さらに求められているものを120%で返せるところが素晴らしいと思います。寄せに行っているわけではなく、自分の持っている美学があって、嫌味もまったく感じさせずに自然体でかっこいいところが素敵ですよね。
健人くんご本人にもリスペクトしていることを撮影の時に伝えさせていただいて、そこから話がはずんで、距離も縮まったかなと思います。「とても嬉しい」と言っていただけて、自分のなかで思うこともあったりだとか、そういう話もできて、人間らしい一面を感じながらも、決してぶれてはいない健人くんにさらなるリスペクトを感じました。撮影中も彼へのその思いを持って演じさせていただきました。

圧倒的に印象に残った共演俳優とは?
共演した方との出会いは大きな糧になっています。本当にたくさんの方から活力をもらっていますが、特に印象に残っているのは「光る君へ」でご一緒した吉田羊さんです。本格的に共演させてもらうのはその時が初めてだったのですが、役への思いを乗せるエネルギーが圧倒的。テストの段階から熱量がすさまじくてガツンと伝わってきました。本番用に力を残しておくとか、そういうものじゃないんだと感じて緊張感も高まって身が引き締まる思いでした。
ラブコメディの難しさ
ラブコメディとシリアスなドラマではどちらかというとシリアスな方が得意といいますか、逆に自分が面白いことをできる気がしないです(笑)。いつも脚本や演出の方のお力に委ねています。ラブコメディの出演作は多くはないのですが、「絶対BLになる世界VS絶対BLになりたくない男」のシリーズにレギュラー出演させていただいて、そのときはとにかく役として真剣に向き合いました。ふざけたり笑いを取りにいったりするのではなく、その人物の感情をまっすぐ演じることを意識していました。笑わせようとしすぎないことが、コメディの難しさなのかもしれないですね。下手にこねくり回さずに脚本や監督を信じて、全力で飛び込むことが重要だと感じました。
今後やってみたいこと
できる限り、いろいろなことに挑戦してみたい気持ちはあります。お芝居以外だと、歌にもチャレンジしてみたいです。今は作品の力をお借りして皆さんに思いを届けていますが、いつかはもっと直接的に自分自身の表現を発信してみたいという思いもあります。表現方法のひとつとして憧れを持っているんです。また、将来的には作品をプロデュースしてみたい気持ちもあって、自分の中では、すでに思い描いているものもあります。

リラックスしていると感じる時間は?
家でくつろいでいる瞬間が一番リラックスしています。人と話すのも好きなので、なかなか普段会えない人と一緒にご飯行ったりする時間も好きですね。家で時間があるときは好きなアニメを見て過ごすことが多いです。その時、その時でいろんなものにはまって、さまざまなジャンルのものを見ますが、バトル系や少年漫画原作のものがやっぱり好きです。個人的には「僕のヒーローアカデミア」という作品が自分の心の支えというか、バイブルのような存在になっている作品だと思います。とても勇気をもらえる作品なんです。
仕事の軸となっていること
僕が仕事をするうえで大切にしているのは、何よりも応援してくださっている方に『次も見たい』と感じてもらえる作品づくりです。SNSでの作品へのコメントも見ています。視聴者の方の気持ちをダイレクトに肌で感じられるとすごく励みになりますし、感動してくれたり、楽しんでくれたりすることが一番嬉しいです。
本作への思いとは?
お仕事ドラマにもなっていて、人と人との繋がりが描かれていて、一種の青春ドラマのような雰囲気もある映画になっていると思います。キャストの皆さんが個性豊かに演じられていて、ポップで感情移入がしやすい作品です。光石研さんが演じられた麗司の先輩俳優・山村賢二にはグッと胸に来るものがあって、また光石さんが演じられるからこその味わい深さもあります。あと、業界の描写がとてもリアルなんです。実際に僕が別作品で最近撮影していた場所がロケ地として使われていたりもして、思わず驚きました。演者たちの心境にも共感できる部分が多くあるので、そういった視点で見ていただくのも面白いと思います。いろいろな発見がありますし、心が温まる映画になっているので、ぜひ劇場で楽しんでいただけたら嬉しいです。

PROFILE
塩野瑛久(Akihisa Shiono)
1995年1月3日生まれ。2012年デビュー、2013年、「獣電戦隊キョウリュウジャー」の立風館ソウジ/キョウリュウグリーン役に抜擢される。近年の主な出演作は大河ドラマ「光る君へ」、ドラマ「未来のムスコ」、「嘘が嘘で嘘は嘘だ」、映画『SAKAMOTO⦆DAYS』、『マジカル・シークレット・ツアー』。7月期土曜ドラマ「告白-25年目の秘密-」(日本テレビ系)に出演。
映画『ラブ≠コメディ』
7月3日(金)全国公開
王道ラブコメ作品で人気の俳優・神崎麗司は、30歳を目前に、重厚な作品で認められたいという思いを抱えていた。同世代で共に歩んできた俳優仲間・渕上颯真が、実力派俳優として評価を高めていく姿に、焦燥感を募らせていたが、新作で、相手役のアイドルやスタッフたちの熱い思いに触れ、麗司の中に眠っていた"芝居への熱"が、再び灯り始める。
監督:紙谷楓 脚本:大北はるか
【出】中島健人、長濱ねる、板谷由夏、塩野瑛久(ほか)
映画『ラブ≠コメディ』の予告編をチェック!
Photo:平野司/Text:入江奈々/Stylist:Lim Lean Lee/Hair&Make:奥平正芳