PICK UP

日本から海外まで、知る人ぞ知る魅力的な旅先をご紹介
あなたがまだ見ぬ景色や旅行体験をお届け

【コラム】世界旅情記『ミクロネシア連邦(オセアニア)コスラエ島』

赤道近くの太平洋にぽっかりと浮かぶ、小さな「コスラエ島」。グアムとハワイの中間に存在する607の島々で構成されたミクロネシア連邦の最東端に位置します。豊かな海と森に囲まれ、日曜日には美しい讃美歌が島中に響き渡ります。

水平線の先に虹が架かる島

 人口約5,000人が暮らすコスラエ島へは、グアムからハワイまでの島々を巡るアイランド・ホッパーという航空路線で向かいます。その名の通り、島から島へとホップ、ステップ、ジャンプするように立ち寄っていくので、グアムから3番目のコスラエ島に辿り着く前に色々な島を見ることができます。

▲虹が架かる島

▲フレンドリーな島民たち

 コスラエ島の大きさは約110平方キロと、伊豆大島より少し大きいほど。周囲は海以外に何もなく、一番近い島までも500キロ以上離れています。そのため水平線が彼方まで永遠に広がり、雲の複雑な動きもよく分かります。日本よりも年間降雨量が多く、遠くで雨雲が動いているかと思ったら、その隣で虹が見えることも。空と雲が織りなすダイナミックな風景が、忙しい日常をゆっくりと忘れさせてくれます。

▲空が広いコスラエ島の風景

▲元気いっぱいの子どもたち

▲水辺に集うコミュニティ

精霊が宿る森と重厚な歌声

 1年を通じて温暖なこの島では、ダイビングが人気のアクティビティですが、カヤックでマングローブが密集する森を探検するツアーもおすすめです。道すがら、島民たちが乗り合うボートと行き違ったり、海で遊ぶ子どもたちと出会ったり。この島で暮らす人たちの生活に、そっと触れることができます。

▲島の7割がジャングル地帯

▲元気いっぱいの子どもたち

 ボートは日頃から重要な交通手段になっていて、この島の固有種であるカ(Ka)の木を育むイエラの森も、道路が通っていないため、1日に1回、満潮のタイミングに合わせてボートで向かいます。天を目指すように伸びた巨大な幹は凛としていて、それを支える板状の根も立派です。神秘的な雰囲気が醸し出され、精霊が宿るという言い伝えにも納得。樹皮が七色に光るレインボーツリーも不思議な光景です。

▲カヌーが島での大切な移動手段

▲カヌーの材料にもなるカの木

▲カラフルなレインボーツリー

 日曜日になると、ほとんどの島民が教会へ向かいます。男性は襟付きのシャツ、女性は色鮮やかなドレスをまとい、子どもたちも正装します。そして全員が参加する讃美歌はまさに圧巻。楽器を一切使わず、のびやかな歌声だけで奏でる優美なハーモニーが心身に深く染み渡ります。礼拝が終わると、お待ちかねの時間。アイスクリームが振る舞われ、それまで静粛にしていた子どもたちの笑顔が弾けました。瞳がキラキラと輝き、その屈託のない表情を見返すと、今でも自然と笑みがこぼれます。

▲穏やかな日曜日の午前

▲お気に入りのドレスで教会へ

PROFILE

浅井みら野(あさいみらの)

アメリカの大学で国際関係とジャーナリズムを学び、卒業後は日本の旅行会社で法人営業を担当。その後、旅行関連のカメライターとして、日本全国、世界各国を訪れ、まだ知られていない土地の魅力をご紹介。

特集記事をもっと見る