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【コラム】世界旅情記『北海道 真鍋庭園』

全国各地で雨が降り始める6月。梅雨のない北海道は初夏の爽やかな風が吹き抜ける、絶好の旅先です。道東エリアの帯広は、広大な自然を活かした庭園が多く、その中でも「真鍋庭園」では力強い樹木が主役の景色が広がっています。

日本初、樹木が主役の庭園

 大雪山から旭川、富良野、十勝、帯広までの約250kmを結んでいる北海道ガーデン街道では、北海道を代表する美しい9つのガーデンが点在し、その中でも帯広には多くの庭園が集中しています。真鍋庭園は1966年にオープンし、その敷地は約25,000坪と日本最大級の広さ。庭園はぐるっと一周できるよう歩道が整備され、キツネとリスの看板に案内されながら歩いていくと日本庭園からヨーロッパガーデン、風景式庭園と次々に異なる雰囲気の庭園に誘われます。

▲木々に迎えられるエントランス

▲コースを示すキツネとリスの看板

 日本庭園はアカマツやモミジ、苔を中心に、ヨーロッパガーデンにはコロラドトウヒなど背の高い針葉樹が庭園の風景を作り上げています。世界中から集められた樹木の種類は数千種類にもおよぶのだから驚きです。木漏れ日の中を歩いていると森の中を散歩しているようで、実際に本物のエゾリスに出会えることも。特に針葉樹(コニファー)が豊富なことから日本初のコニファーガーデンとしても知られています。

▲池と岩が配された日本庭園

▲庭園のシンボル・コロラドトウヒ

▲フレンドリーなエゾリス

庭園を彩る、建築と水

 そして庭園にたたずむ建築も必見です。日本庭園には北海道で珍しい純和風の書院造りがあり、これは真正閣(しんしょうかく)という皇室ゆかりの歴史的建造物。またリバースボーダーガーデンエリアにあるリスの教会は、屋根の上には風見鶏ではなくリスがちょこんと乗っており、ちょっとした遊び心が感じられます。立派なシダレヤナギに設けられたツリーデッキは、巨木と同じ目線で庭園を見渡す絶好の展望台です。

▲年に1回公開される真正閣

▲エゾリスに見守られている庭園

▲秘密基地のようなツリーデッキ

 庭園をゆっくりと見て回れるように休憩所やソファが置かれたガゼボがあるのもうれしいポイント。かつてお賽銭箱だったものにシジュウカラが卵を産んだため、急きょ巣箱として静かに見守ることにしているなど、働いている方の優しさが感じられる看板にこちらもほっこりします。

▲森林に包まれるガゼボ

▲賽銭箱は鳥の巣箱として活躍

 耳をすませば風にのって聞こえるのは、小鳥のさえずりや涼やかな水の音。特に風景式庭園では隅々まで池が広がり、水の存在が景色に動きを与えます。その光景はまるで印象派の絵画のよう。新緑がまぶしく、水面には美しい緑のグラデーションが映し出され、自然がくりだす豊かな色彩に思わず言葉を失うのでした。

▲緑深き庭園を潤す、清らかな滝

▲ショップでは苗など雑貨を販売

▲初夏は山野草の満開シーズン

▲何色もの緑で織り成される絶景

PROFILE

浅井みら野(あさいみらの)

アメリカの大学で国際関係とジャーナリズムを学び、卒業後は日本の旅行会社で法人営業を担当。その後、旅行関連のカメライターとして、日本全国、世界各国を訪れ、まだ知られていない土地の魅力をご紹介。

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