ZOOM UP INTERVIEW
謎に包まれた街を舞台に過去と現在が交錯する
『九龍ジェネリックロマンス』
吉岡里帆×水上恒司

ノスタルジックな街・九龍を舞台に、過去の記憶がない鯨井令子と過去に秘密を持つ工藤発の恋が繰り広げられるミステリー・ラブロマンス『九龍ジェネリックロマンス』。本作で令子を演じる吉岡里帆と工藤に扮する水上恒司に作品への思いやみどころ、初共演の感想について語ってもらった。
水上「工藤のダメ男なところにも注目して欲しい」
吉岡「展開が読めなくて先が気になる作品」
吉岡里帆「原作を読んで令子の大人な女性の面と、過去の記憶がない無垢な面との二面性が面白く、九龍で織りなす恋愛模様が今までにない作品だと感じたのでやってみたいなと思いました」
水上恒司「ぜひやってみたいという気持ちと、34歳という年齢設定は今まで演じた中で最高年齢だったので、戸惑いもありました。でも、当時25歳の僕に期待を寄せてくれているのがまず嬉しくてお引き受けしました」
吉岡「水上くんは撮影期間中、カメラの前でなくてもずっとどこか工藤の空気を背負っていてるようにみえて、私も影響を受けて令子を感じながら現場にいました。日常生活にまで役を落とし込むってやっぱり集中力がないとできないことだと思います」
水上「僕自身は意識していなかったです。初めて吉岡さんと共演させていただきましたが、僕も吉岡さんのことが令子に見えていました、それは撮影以外でもありました」
吉岡「そう感じてもらえてたら嬉しいです。原作の令子はとてもセクシーで色っぽさが全身から感じられました。かつて香港に存在した“九龍城砦”を再現するため、雑多な街並みが残る台湾で撮影しましたが、じっとりとした湿度があって、狭いところでの撮影が多かったから距離感も近かったので、普段は味わえない色気というか艶かしさのようなものを感じてもらえるんじゃないかと思います」
水上「僕はある人から、『色気というのは、相手の痛みを分かることだよ』って言われたことがあって、僕の中で“痛み”というものは演じるうえで大事な要素になっているんです。僕が工藤の痛みを理解したいと思いながら演じることによって、僕も色気というものが出ていたらいいなと思います」
吉岡「工藤さんと令子の恋愛とミステリーが絶妙なバランスで混じっていて、展開が読めなくて先が気になる作品となっているので楽しんで見てもらえると嬉しいです」
水上「僕は工藤のダメ男なところに惚れ込んで、そこに令子も惹かれていったのだと思うので、工藤の魅力にもぜひ注目して欲しいですね」

PROFILE
吉岡里帆(RIHO YOSHIOKA)
1993年1月15日生まれ。2015年、連続テレビ小説「あさが来た」で注目を集める。2016年ドラマ「カルテット」、2019年映画『見えない目撃者』、2022年映画『ハケンアニメ!』、ドラマ「ガンニバル」など多数出演。2024年、映画『正体』で第48回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞している。
水上恒司(KOSHI MIZUKAMI)
1999年5月12日生まれ。2018年ドラマ「中学聖日記」で主人公の相手役に抜擢され、俳優デビュー。2021年にはNHK大河ドラマ「青天を衝け」に出演し、2023年映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』で第47回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。ほかの主な出演作は「MIU404」「ブギウギ」など。
九龍ジェネリックロマンス
8月29日(金)全国公開
【監】池田千尋【出】吉岡里帆、水上恒司、竜星涼、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、曾少宗(フィガロ・ツェン)、花瀬琴音(ほか)
あらすじ
懐かしさ溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子(吉岡里帆)は先輩社員の工藤発(水上恒司)に恋をしていた。ある日、工藤と行った金魚茶館の店員・グエン(栁俊太郎)に工藤の恋人と間違われ、工藤と一緒に自分が写っている写真も偶然見つける。思い出せない過去の記憶、もう一人の自分の正体、そして九龍の街に隠された謎とは一体。
『九龍ジェネリックロマンス』予告編もチェック!
Photo:平野司 / Text:入江奈々 / Hair&Make:AYA(TRIVAL)・Styling:後藤仁子(吉岡里帆) / Hair&Make:Rei Takamatsu・Styling:藤長祥平(水上恒司)