ZOOM UP INTERVIEW
WOWOW「連続ドラマW」主演
犯人を追う刑事役
吉岡秀隆

実力派作家・芦沢央の本格社会派ミステリー小説『連続ドラマW 夜の道標 ―ある容疑者を巡る記録―』がWOWOWで連続ドラマ化。地道な聞き込みで事件を追う刑事・平良正太郎を演じた吉岡秀隆に、本作への姿勢や、撮影の舞台裏についても伺った。
「お芝居をしながら生まれるライブ感を大切にしたい」
WOWOWのドラマの撮影ではいつも、ただ「役を演じる」というより、他のキャストやスタッフのみなさんと一緒に学んで「役を体現している」という感覚になります。僕が演じた平良という人は、年齢とともに情熱や正義感といったものがすり減ってしまっていて、仕事と家庭の両立でとても疲れている。その痛みのようなものは理解できました。
阿久津を演じた野田洋次郎さんとは、刑事と容疑者という関係ですから、なるべく顔を合わせたくなかったですね(笑)。平良が阿久津のことをずっと考えて捜査をしていたのと同じで、僕も撮影のない日もずっと、彼に想いを傾けていました。何度も聞き込みをしながら少しずつ事件の真相に近づいていくように、お芝居をしている僕自身も実際に人と向かい合うことで初めて気がつくことがありました。現場でその瞬間に生まれる「ライブ感」みたいな感覚です。相棒役の高杉真宙くんと何気なく「この話って、誰も悪くないんですよね…」という話をしていたら、たぶん僕らの会話をワイヤレスマイクが拾ってたんでしょう。森淳一監督が、僕らが作品の核心的なところに自然と気がついたと思ったのか、「そうなんですよ、吉岡さん!」と飛んできたことがありました。
おこがましい言い方になってしまうのですが、観てくださる方にはドラマを通していろんなことを考えてみてほしいですね。僕たちも考えながら撮影に臨んだので、観た人には物語の先のことを考えてもらいたい。そんな気持ちが自分の根っこにあるのかもしれません。WOWOWのドラマにはいつも「何か」があります。観ると必ず胸に刺さるものがあって、いろいろなことを考えさせられる。今回の作品もそうなっていたらいいですね。

窓際刑事が未解決事件の真相究明に動き出す
『連続ドラマW 夜の道標 ―ある容疑者を巡る記録―』
学習塾を経営する講師が殺害され、被害者の元教え子・ 阿久津弦(野田洋次郎)が容疑者として捜査線上に浮かぶが、2年経っても足取りはつかめていない。窓際刑事の平良正太郎(吉岡秀隆)が事件担当になり、関係者への聞き込みを続けるが謎は深まるばかり。やがて浮き彫りになる、ある社会問題とは?

PROFILE
吉岡秀隆(Hidetaka Yoshioka)
1970年8月12日埼玉県生まれ。4歳で劇団若草に入団し、1977年に映画『八つ墓村』で映画初出演。1981年TVドラマ「北の国から」シリーズの純役で、絶大な人気を集める。山田洋次監督の映画『男はつらいよ』シリーズで1981年から寅次郎の甥・ 満男役を演じ、2019年に『男はつらいよ お帰り 寅さん』が公開された。2003年からスタートした主演のTVドラマ「Dr.コトー診療所」も人気シリーズになった。10月公開映画『秒速5センチメートル』に出演。
連続ドラマW 夜の道標 ―ある容疑者を巡る記録―
9月14日(日)~ 日曜 後10.00~11.00 【再】=月・翌日曜
※第1話無料放送
WOWOWプライム
制作年・キャスト
25年【出】吉岡秀隆、野田洋次郎、瀧内公美、高杉真宙(ほか)
『連続ドラマW 夜の道標 ―ある容疑者を巡る記録―』の予告映像もチェック!
Photo:平野司 / Text:真鍋新一 / Hair&Make:井手奈津子 / Styling:椎名倉平(ONWA) / 衣装:シルバーブレス / LION HEART