ZOOM UP INTERVIEW
日本の演歌界を盛り上げる細川一門が揃って登場
師匠の芸道50年を祝う
細川たかしと細川一門(杜このみ、彩青、田中あいみ)
Photo:尾崎篤志
歌謡ポップスチャンネルの人気番組『宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星』がこの4月から番組内容をリニューアルする。その第1回ゲストとして、芸能生活50年を迎えた細川たかしが出演する。さらに今回はその弟子である杜このみ、彩青(りゅうせい)、田中あいみも交えた「細川一門」として出演し、歌謡界のレジェンドと弟子たちのエネルギッシュな掛け合いが見どころとなっている。
「まずは次の10年を。目標は弟子たちと同じです」
細川 弟子たちとこうして一緒に番組に出られるのはうれしいよね。それぞれがしっかりと育って、業界にも慣れて、これからの歌謡界を引っ張っていける、良い弟子たちです。若いうちは自分の思い通りに歌うことが難しい時もあると思うけど、彼らにはこれからもがんばってほしいですね。今回の番組ではデビュー曲の「心のこり」を歌わせていただきましたが、50年前の曲です。昔のレコードを聴き直してみると、自分の歌にも粗さを感じますね。24歳で歌っていた歌を75歳で歌うわけだから、同じ歌でも少しは洗練されていると思いますよ。歌っていくうちに、声は変わりますし、歌い方も変わります。どんどん音が洗練されてきているのが自分でもわかるくらい。もちろん粗いことの良さもあるから、これから先の5年後、10年後で弟子たちの歌がどう変わっていくのか、それをとても楽しみにしています。その時にはきっと今の私と同じことを感じるはずですよ。
(芸能生活50年ということで話を伺っていたが、そこには自分よりも弟子たちのことを思いやる師匠の姿があった。では、自身の50周年という節目についてはどう捉えているのだろうか)
細川 私ですか? 私はこうして「芸道50年」と掲げてはいますが、それほど重く感じてはいません。目標は彼らと同じで、まずは次の10年もしっかりと歌うこと。85歳までこの声を保っていきたい。それが念願です。もし無事に85歳になった時は、「また次の10年」と言うかもしれないけどね(笑)。
(今回は師匠と弟子3人という「細川一門」での出演。MCの宮本隆治と相田翔子とのトークの時間もたっぷり用意されている。弟子たちに意気込みを伺った)
杜 師匠と舞台や番組でご一緒させていただく時は、いつも隣にいてくださっているんだという安心感があります。それは隣で厳しく歌を見ていただくということでもあるので、その緊張感もあります。師匠の想いにしっかり応えるためにも、精進したいです。

彩青 「どうお客様の心に届く歌を歌うか」「歌をさらに良いものにするにはどうすべきか」。それを常に研究されている姿勢を師匠から学んでいます。演歌の魅力、細川一門の魅力が番組を通じて少しでも伝わればうれしいです。

田中 師匠とは歌番組はもちろんですが、トーク番組やバラエティでもご一緒することがあります。師匠は歌だけでなく、間の取り方や笑いの生み出し方が素晴らしく、いつも隣や後ろで拝見しながら「さすがだな!」と感じています。

(親しみやすいキャラクターで人気を博した『欽ちゃんのどこまでやるの!』など、細川はバラエティ番組にも積極的に出ていく演歌歌手の先駆けのひとりだった。歌と同じように、トークのセンスもまた弟子たちにも引き継がれているように思うが……?)
細川 いや、歌以外のことについては私からなにか言うことはないです。下手にこちらがなにか言うと委縮してしまうから、好きなようにしてもらうのがいちばんでしょう。テレビでも普段のような自由なやりとりができていて、すごくいいと思いますよ。あぁ、でも生放送だけは気を付けないといけないね(笑)。私自身もそこはすごく気を遣うので、そういう緊張感を彼らもきっとわかってくれているんだと思います。
「いつも若い人たちから刺激をもらっていますよ」
(そして話題は細川の新曲「カムイ岬」へ。番組では一門の三味線奏者4人を迎えて、大迫力の歌唱を披露する。AI生成技術をフルに使ったミュージック・ビデオも大きな話題となった。YouTubeではこの3月上旬ですでに26万回再生を記録している)
細川 レコード会社のスタッフがみんな若くなって、遠慮なくアイデアを出してくれるようになったんですよ。すごく新鮮だね。「AI? 面白いね。じゃあ1回作ってごらん」と言って、できあがったものを見て、私が感想や意見を言う。「うちで飼っている猫と一緒に、なにか面白いことができないか?」とかね。すると向こうからも「いいですね!」と反応が返ってきて、もっと良いものを作り直してきてくれる。そういうやりとりを何度も重ねて作ったものなんです。AIでここまでいろんなことができるということがわかりました。次にやりたいことも考えていますよ。もっと盛大になると思いますので、期待していてください(笑)。
彩青 最近、師匠は若い方にすごく人気がありますよね。どんな時でもたくさんの人に囲まれているのに、ひとりひとりにやさしく丁寧に接しながらサインや写真、握手の対応をされているのをいつも見ています。きっと、常に新しいものを取り入れていく姿勢が伝わっているのではないでしょうか。
杜 いつも“新しいこと”、“楽しそうなこと”に挑戦し続けている師匠と、コンサートに命を懸けている師匠、どちらの師匠も一生尊敬しています。
田中 大スターとしてのこだわりを持ちながら、「こっちのほうが面白い!」と思うことに率先して挑戦される姿が本当に素敵なんです。
細川 だって、挑戦したほうが楽しいから! 私も若い人たちからいつも刺激をもらっているんですよ。弟子たちからもそうだし、例えばこの間の冬季オリンピックの選手の競技を見ていても、すごく感じるものがありますね。「一生懸命がんばっている人たちが日本にはこんなにいるんだ!」と思うと、我々も歌手としてもっと努力しなきゃという思いが湧いてくるし、それがなによりも楽しい。
「これも時代の変わり目。今までとは違う広がりを感じています」
(芸道50年を迎えて、「次の10年が目標」と語った師匠。弟子たちにも今後の抱負を語ってもらった)
杜 30代後半から、憧れの40代へ移り変わる10年。演歌歌手として成長できるよう、たくさんの作品に挑戦していきたいです。次の10年で「演歌といえば、杜このみ」と言っていただけるようにがんばります!
彩青 「演歌第七世代」の活動で新しいお客さまとふれあう機会が多く、本当にうれしい波が起きているという実感があります。大先輩が築いてくださった演歌・歌謡曲の大城をしっかりと守り、さらに同年代の若いみなさまにも親しんでいただけますよう、いろんなジャンルの歌に挑戦して、これからもがんばってまいります!
田中 昨年は、木梨憲武さんと所ジョージさんの「大人の本気の遊び」を真横で感じて、すごく新鮮な経験をさせていただきました。今年はデビュー5周年。「さらに新しい田中あいみ」になりたいなと思っています。経験のすべてを意味のある1秒、1分にすることを心がけ、努力して、努力して、努力して、努力してまいります!
細川 今はCDがなかなか売れない時代だけど、インターネットのおかげで我々のことに興味を持ってくれる人は増えているような気がするんだ。新しいことに挑戦していく姿勢がしっかり見てもらえていて、歌も聴いてもらえている。これも時代の変わり目だね。今までとは全然違う形で面白さが広がっている。それがきっかけで我々の歌を生で聴いてほしいと思ってくれたら、言うことないよね。いい歌詞、いい曲、いい歌ができても、世の中の流れもあるし、ヒットはいつ来るかわからない。だから私たちは、いつも歌だけはしっかり歌える状態にいないといけないんです。歌唱力と声量を、なるべく落とさないこと。歌い手ってのはね、そこが勝負です。

番組リニューアルスタート!細川たかし最新曲を披露
『宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星~演歌・歌謡曲情報バラエティ~ #286』
MC宮本隆治と相田翔子が、毎回、豪華歌手をゲストに招き、トークと歌唱を披露するオリジナル番組。「おめでたい」をキーワードにしたトークやゲストそれぞれの歌唱も披露。細川たかしは最新曲を三味線演奏をバックに圧倒的な歌声で披露。

PROFILE
細川たかし
1975年に「心のこり」でデビュー以来、「北酒場」「矢切の渡し」「浪花節だよ人生は」など多くのヒット曲を持ち、現在も歌番組やバラエティ番組を中心に活躍中。2021年からは自らが家元となる「細川一門」を立ち上げ、後進の指導にあたっている。近年はSNSの発信がきっかけで若い世代からも熱心な支持を集める。2026年は長山洋子とのコンサートで全国各地を訪れる予定。
杜このみ
民謡の実力を細川たかしに見出され、2013年「三味線わたり鳥」でデビュー。その歌唱力の高さがバラエティ番組で話題となる。高安関との結婚・産休・育休を経て復帰し、昨年リリースの新曲「赤い満月(つき)」も好評で、精力的に活動中。
彩青
2019年「銀次郎 旅がらす」でデビュー。民謡だけでなく、尺八と津軽三味線の演奏も達者にこなす「三刀流歌手」として注目されている。若手人気歌手で構成された「演歌第七世代」のひとりとしても精力的に活動。2026年は新曲「門前仲町の恋ざくら」でさらなる飛躍を誓う。
田中あいみ
大学在学中にオーディションに合格し、2021年「孤独の歌姫(シンガー)」でデビュー。持ち前の"ソウルフル・ボイス"を生かした楽曲で人気を博す。準レギュラーで出演中のラジオ番組『木梨の会。』から生まれた新曲「優柔不断 with 木梨憲武・所ジョージ」が発売される。
宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星~演歌・歌謡曲情報バラエティ~ #286
4月10日(金)後6.00~7.00 【再】=11・16・25・28
歌謡ポップスチャンネル
Photo:尾崎篤志 Text:真鍋新一