ZOOM UP INTERVIEW
デビュー10周年でますます絶好調!
ハスキーな“ノックアウトボイス”の魅力
真田ナオキ
Photo:尾崎篤志
12月の歌謡ポップスチャンネルでは、デビュー10周年&メジャーデビュー5周年を迎えた演歌界の貴公子・真田ナオキを大特集。師匠である吉幾三が作るご機嫌な楽曲をその“ノックアウトボイス”で歌い上げる真田は、今年は新曲「Nina」「一匹狼のブルーズ」のリリースだけでなく、初の写真集を刊行するなどますますの快進撃を続けている。今回の特集では10月に開催されたばかりのコンサートのテレビ初独占放送や、ビデオクリップ集を放送するなど、彼の魅力をたっぷりと楽しめる。さらに、人気番組『宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星』に初のメインゲストで出演。コンサートの成功から間もなく、番組の収録に臨んだ真田を直撃してこの1年の感想を伺った。
演歌の枠に収まらない、グルーヴ満点の生バンドとのコラボレーション
僕にとってとても大事なタイミングでこのような特集をしていただいて、本当にありがたいです。今回は歌だけじゃなくて、宮本さんとじっくりと長いトークまでできるなんて。今朝、家を出る前にシャワーを浴びている最中、急にこの喜びと実感がこみ上げてきまして、「やば、これはすごいことになったぞ…!」と。遅いですよね(笑)。しかも相田翔子さんは子どもの頃からあこがれの人で、さっきまですぐ近くにいたのにまっすぐ見ることができなくて、本当に緊張しました。最近はクイズ番組やバラエティ番組に呼んでいただける機会も増えて、これもきっと歌のお仕事をがんばれているからなのかな、と思える1年でしたね。
<特集では、10月13日・14日に浅草公会堂で開催されたコンサート『2025 浅草秋の奏で』が早くもオンエアされる。毎年恒例となっている浅草でのコンサートだが、今回は初めての2日間公演。数年前から大きな会場でのコンサートではASA-CHANG&ラッキーセブン(「ASA-CHANG&巡礼」などのユニットで知られるミュージシャンが率いるビッグバンド)がバックを務め、今回のステージでも見事な化学反応を見せた>

ある時、僕のマネージャーが「真田ナオキの音楽性を演歌の枠に閉じ込めておきたくない」と言ってくださって、それでASA-CHANGとのつながりができました。その時は生バンドを背にして歌うこと自体が初めてのことで、最初はお互いに合わせるのが本当に大変でした。僕のまったく知らない世界だったというか、演歌を知らない人たちのなかに、演歌しか知らない僕が入っていってしまって、「音楽性が違うとここまで歌いづらいのか!」と。でも、それでもやっていくうちにだんだんとお互いのグルーヴが感じられるようになってきて、「面白い!」「すごい!」と思える瞬間が出てきた。そういう感動や楽しさが、今回のステージでも随所で感じていただけると思います。
ASA-CHANGバンドとは、僕がステージで歌っている最中にも実はいろんなやりとりをしています。演奏がちょっと先走ってるなと思ったら、僕の歌で引っ張って戻そうとしたり、逆に「ここで前に来てよ!」と歌を前に出したり。僕は僕でけっこう頑固なので(笑)、「そっちじゃねぇよ、こっち来いよ」とバンドを引っ張るときもあれば、歌っているうちに考えが変わってバンドについて行ったり。本番の最中にも「あ、それカッコいいじゃん」と気づかせてくれる。そこが“ASA-CHANGミュージック”のすごいところですね。客席やカメラからは僕はただ歌っているだけにしか見えないと思いますが、こういう目に見えない僕らの駆け引きみたいなものも隠れた見どころかもしれません。こういうことができるのは生バンドならではです。
ありがたいことに、「ASA-CHANGがバックをやってるから真田ナオキを聴いてみよう」、という方も最近はよくいらっしゃいます。そのあたりはファンの方同士もお互いにいい影響があるみたいで、この間、僕のファンの方がASA-CHANGのワークショップに通い始めたという話を聞きました(笑)。

デビューから10年――真田ナオキが飛躍の2025年を迎えたとき
僕のなかでは、デビュー10周年だからと言って改まって気合いを入れなおすようなことはなくて、なるべくいつも通りに楽しく歌えたらいいなと思っていました。ただ、さっきのシャワー中にびっくりした話と同じで、ふとした瞬間に「うわ! 広い会場で生バンドと一緒に歌ってるよ!」という実感が急に降ってきたりはしましたね。デビュー当時はファンの方が当然1人もいないですから、単独のコンサートなんて開くことさえできなかった。たくさんいる歌手のなかの1人として歌わせていただきながら、少しずつCDを売っていた時の記憶も混ざりつつ、この現場で、お客様の興奮した空気を直接受け取ることができるうれしさ。「あぁ、いまこの瞬間のために僕は歌っているんだな…!」と心から思いましたね。気持ちがすごく高揚していて、その日の晩は、体は疲れていても全然眠れませんでした。でも、最終的に出てくるのは「本当にありがとう!」という言葉だけです。ファンのみなさん、スタッフのみなさん、業界の方々に盛り上げていただいて、僕は今ここにいることができる。それが本当にありがたくて。

あと、最近コンサート中のMCが「師匠(吉幾三)に似てきた」と言われることがあって(笑)。「ステージの上では自然体でいること」「会場に流れている空気を最後まで止めないこと」、というのはいつも心がけていることなんです。それは師匠もそうですし、僕もそんな師匠のことがめちゃくちゃ好きなので、そうなってしまうのかな、なんて。 僕が演歌や歌謡曲が好きになったきっかけは宮本さんの番組のなかでも少しお話ししたんですが、僕の場合はある時たまたま演歌が耳に入ってきたときに「なんてカッコいいんだ!」と強く感じた出来事がありました。ところが、曲の世界観や歌詞の意味が最初は全然わからなかった。実を言うと、今でもまだよく意味がつかめていない曲もあるくらいなんですが、完全に曲を理解していなくても、聴いていると必ずどこかに深さを感じる瞬間がある。そこが演歌や歌謡曲の魅力です。先日のコンサートでは「瞼の母」という《ド演歌》をあえて歌わせていただいたのですが、歌っていてすごく気持ちがよかった。ポップスとは違った爽快感なのか、これは実際に聴いて感じていただきたいです。

最近僕らが歌っているような曲は「演歌・歌謡曲」というジャンルと言われているだけで、ポップスのような曲もたくさんあります。ドスの効いた歌とか、キリっとした歌とか、演歌と一口にいってもいろんな曲があるので、いろんな人にとにかくまず歌を聴いてもらおう、と。だから、こうして特集をしていただけるのはすごく大きなチャンスだと思っています。真田ナオキという存在を、演歌を知るきっかけにしてもらえたらうれしいですね。 2025年は自分の周年であると同時に「感謝を伝える1年」でした。この1年で活動の範囲や手ごたえがどんどん大きくなって、感謝を伝えたい人たちがさらに増えていって、もっとがんばらなければと気持ちを新たにしました。僕自身としては「演歌歌手=いい子の優等生」みたいなイメージを壊したいんです。演歌を聴いたことがない人ほど、「きっちりとしたスーツで、お固い」というイメージがあるようで。でも、僕みたいにちょっと悪そうな子もいますので、今回の特集で演歌や歌謡曲の違う一面を感じて、そして真田ナオキに興味を持っていただけたらうれしいです。応援、よろしくお願いいたします!

12月は歌謡ポップスチャンネルで真田ナオキを大特集!
12月の歌謡ポップスチャンネルでは、真田ナオキが10月に開催した『真田ナオキ “2025 浅草秋の奏で”』をテレビ初独占放送。さらに、宮本隆治と相田翔子が司会を務める番組『宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星~演歌・歌謡曲情報バラエティ~』に初のメインゲストとして登場! そしてMV番組『真田ナオキ特集 ベストヒット演歌』も放送。昨年開催された『真田ナオキ 2024浅草秋の宴』もアンコール放送されるため、ぜひこの機会をお見逃しなく!

PROFILE
真田ナオキ(SANADA NAOKI)
1989年生まれ。吉幾三に師事し、2016年にシングル「れい子」で歌手デビュー。「恵比寿」で第62回日本レコード大賞最優秀新人賞受賞。その後、「渋谷で…どう?」「酔えねぇよ!」「246」など、キャッチーな楽曲で人気を博す。最新シングル「一匹狼のブルーズ」、写真集『One Night Stand』が発売中。そのほか、グリーンチャンネル『プレイバック競馬クラブ3』のMCなど、多方面にわたって活躍の場を広げている。
真田ナオキ “2025 浅草秋の奏で”
12月28日(日)後1.00~2.45
歌謡ポップスチャンネル
宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星~演歌・歌謡曲情報バラエティ~ #282
12月12日(金)後6.00~7.00 【再】=13・28
歌謡ポップスチャンネル
真田ナオキ特集 ベストヒット演歌
12月12日(金)後7.00~8.00 【再】=20・27
歌謡ポップスチャンネル
真田ナオキ 2024浅草秋の宴
12月20日(土)後5.00~6.30
歌謡ポップスチャンネル
Photo:尾崎篤志/Text:真鍋新一